ソジャット・ヘナ刈り紀行②今年のヘナと初対面

前回はジョドプル空港に到着したところまでお届けしました。さて空港を出て一路ソジャットの街を目指します。

長かった雨季の終わったソジャットはまだ青々しく、ハイウェイの両脇はちょうど収穫期を迎えたたかきび畑が続いています。青空に強い陽の光、乾燥の季節が来る前に慌てて種を落とそうとする植物たち。その中に色の洪水と例えられるラジャスターン衣装のハッとする色が忘れてた何かに火を灯します。

ヤギの群や

牛の群れに行く手を遮られながらも身を委ね

ラクダを追い抜かしながらも街を目指します。

巨大なハヌマーン神と牛の像がありました。インドでは寺院を建てたり、こうした像をプライベートで建てたりすることで徳を積むという考えもあります。これもその一つでしょうか。

さて、空港から街に向かう途中にありますのがこの旅の第一目的地であるマハラニヘナ特別契約畑『सोहन काकू का वेराソハンカク カ ベラ』(ソハンおじさんの畑)であり、現ヘナブラザーズのヘナファームです。

ソハンラルジ氏はソジャットを世界最大のヘナの産地にした伝説の立役者です。今は3人の息子さんたちが後を継いでいますが彼らはお父さんに感謝と尊敬の念を込めて胸像を作りました。

到着するや否やすぐに今年のヘナを手渡されるマハさん。口に含んで今年のヘナのファーストインプレッション。

「くん、くん、くん」匂いも嗅いじゃいます。故ソハンラルジ氏仕込みのヘナソムリエです。

さあ、いよいよ15年前に家族で植樹した契約栽培畑の今年の発育具合を見に行きます。

現場からのレポートをするマハさんのオフショット。

今年は雨季の雨が長引いて、本来すでにカラカラのはずなのに脇目が後から後から育つため発育のムラが出て茎元は枯れているのに背の高い部分にはまだ花が咲いています。

そのせいで種のつきもよく、豊作なのにその分種も多いという事態となっております。

広大な畑と工場の周りにはたくさんの植物が育っています。こちらはニーム。

アムラ並木もありました。自家製のアムラアチャール(インドの漬け物)を作ったりするそうです。ちなみにマハラニのアムラパウダーはウダイプルの野生の森のものを使用していますよ。

こちらは先に刈られた他のヘナブラザーズの他の畑のヘナを乾燥しているところです。一般的に刈り取られたヘナは畑の土の上で乾かされてから葉を落とすのですがヘナブラザーズは独自のコンクリートの干場を持っています。これはソジャットでも唯一かもしれません。

工場がヘナ畑のすぐ横にあるからこそなせる技です。半砂漠の灼熱の地ですのでカンカンに照らされたコンクリートは天然のドライヤーとなるわけです。わずかでも水分の残る土の上よりもいち早く乾燥させることができるのです。ヘナの臭みの原因は湿度による雑菌繁殖ですからより早い乾燥は大切ですね。

この方(かっこいい!)の持ってる道具見てください!天然の二股の木です。

日本の熊手のようなこの道具も、木を加工して手作りされています。インドの田舎はまだまだこうした温もりのある道具が活躍しています。

さてさて、初日は立ち寄り程度の訪問。ここからしばらくステイすることとなるオールドソジャットに向かいます。

この日はインド最大のお祭り『ディワリ』の一番の盛り上がりの日です。ヘナブラザーズのご家族にに迎えられ、次回はお祭りの様子をお届けします。